天然に湧き出す炭酸泉 ~兵庫県有馬温泉編~
今回は炭酸泉の利用形態を探るべく兵庫県は有馬温泉を取材してきました。この有馬温泉、神戸・大阪・京都といった都市圏から近いということもあり、関西では大変メジャーな温泉街です。この有馬温泉には古くから炭酸泉が湧き出しており、 また炭酸泉を活用したユニークな「炭酸せんべい」なるお土産物もあるなど、実は炭酸泉とは深い縁があるのです。
「虫地獄・鳥地獄」~有馬温泉における炭酸泉~
温泉街に「タンサン坂」と名づけられた坂があるほど、有馬温泉にとって炭酸との関わりは深いものがあります。 そのタンサン坂を上がっていくと、炭酸泉源公園にたどりつきます。名前からも分かるように、ここでは天然の炭酸泉が湧き出しています。 もちろん、飲泉所も併設されていますので、実際に飲用することもできます。平成7年の阪神大震災までは、この炭酸泉源の隣に茶屋があり、 この炭酸泉から汲んだ炭酸水に砂糖を溶かしたサイダーを販売していたそうです。実は有馬の炭酸泉を利用したこのサイダーこそ、 日本のサイダー発祥と言われており、100年近くも昔から製造されていたといいます。現在では地元の人々が協力して「ありまサイダー」 として当時のサイダーを復刻し、新しい有馬みやげとして人気を得ています。これだけ昔から炭酸が日常に入り込んでいた有馬ですが、 実は明治初期までは虫や獣もすぐに死ぬ「虫地獄・鳥地獄」と呼ばれ、毒水として誰も近づくことすらしなかったそうです。 当時の内務省が水質検査を行い、安全で良質な水であることが判明すると、サイダー、炭酸せんべい、といった有馬名物のお土産物にも利用が広がっていきました。
また有馬の炭酸泉を引き込み、炭酸泉浴が体験できる湯もあります。現在では、「銀の湯」という公共浴場で、炭酸泉浴ができるようになっています。
炭酸泉浴をし、有馬サイダーで喉を潤し、炭酸せんべいを味わう、関西から日帰りでこれだけ炭酸三昧な一日を過せるのです。
次回は、炭酸せんべいについて紹介します。
